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精神保健福祉士(人間科学科)

1.「精神保健福祉士」とは

「精神保健福祉士」は、精神障害のある方が抱えている様々な生活問題の相談に応じ、精神保健および社会福祉に関する専門的知識や技術をもって、問題解決のための援助やその人らしい社会生活の実現に向けた支援を行う専門職です。1950年代から精神科病院を中心に精神科ソーシャルワーカー(PSW)として働いてきた歴史がありますが、1997(平成9)年に「精神保健福祉士法」が制定され、国家資格となりました。

2.精神保健福祉士の仕事(活躍の場)

精神保健福祉士の仕事や活躍の場として、以下のものが挙げられます。

①精神科病院、総合病院精神科、精神科クリニック、デイケア

これらの医療機関において精神保健福祉士は、通院・入院している本人や家族に対して様々な相談支援を行っています。例えば、受療に伴う不安の対応、生活環境の変化や経済的問題に関する相談援助、人権擁護への取り組み、退院に向けた支援と環境調整、退院後の生活支援、などが挙げられます。
精神科訪問医療活動に精神保健福祉士が携わる場合も多く、通院中の方の家庭など生活の場に出向き、必要な支援を行っています。
また多くの医療機関では精神科デイケア・ナイトケアという精神科リハビリテーション機能を有しており、そこでは医療専門職とチームを組み、リハビリテーションプログラムの実施や個別相談等に応じています。

②精神障害者の地域生活支援を行う福祉サービス事業所

地域でその人らしい生活を送るためには医療のみならず様々な福祉サービスが必要です。精神障害者の地域生活を支えるために、相談援助、就労支援、訪問活動、生活訓練、住居の提供、仲間作りや地域交流促進など、幅広い支援体制が求められています。こうしたサービスは主に「障害者総合支援法」に規定されており、「地域活動支援センター」「就労移行支援事業」「就労継続支援事業」などを中心に精神保健福祉士が活躍しています。

③精神保健福祉センター、保健所、市町村障害福祉主管

これらの行政機関では、地域の実情に応じた福祉サービスの整備や精神障害者の人権擁護にかかわる事業、地域の相談窓口として機能しています。また、地域住民のメンタルヘルスの向上と精神保健福祉に関する啓発事業に取り組み、アルコール依存や薬物依存への対応、自殺予防対策なども実施しています。

④保護観察所(社会復帰調整官)

「心身喪失者等医療観察法」に基づく処遇を受ける精神障害者の社会復帰のために、生活環境の調整や見守り支援、関係機関との連携等を行う専門職(社会復帰調整官)が全国に配置されており、精神保健福祉士がその職に任用されています。

⑤その他

最近、精神保健福祉士の活躍の場は更に広がっています。例えば、精神保健福祉士と契約して社員のメンタルヘルスの向上を目指す企業もありますし、精神保健福祉士が自ら開業して相談援助活動を行っていることもあります。また学校で生徒や教員の相談に応じ地域のネットワークを活用して必要な調整を図るスクールソーシャルワーカー、社会福祉協議会で地域福祉活動にかかわる精神保健福祉士もいます。

3.「精神保健福祉士」になるためには

国家資格なので、国家試験に合格(合格後に登録が必要)しなければなりません。また国家試験を受けるための資格(受験資格)を有する必要があります。本学人間科学科では、精神保健福祉士国家試験受験資格の取得に必要なカリキュラムが設置されています。

4.精神保健福祉士受験資格に必要な科目と履修年次

精神保健福祉士の国家試験を受験するために必要な科目(指定科目)は以下の通りです。

カリキュラム2020年度

厚労省の指定する科目名 本学開講科目名 単位 開講学年
精神疾患とその治療 精神医学(精神疾患とその治療) 4 2
精神保健の課題と支援 メンタルヘルス論I 2 1
メンタルヘルス論II 2 2
精神保健福祉相談援助の基盤(基礎) ソーシャルワーク論 2 1
精神保健福祉相談援助の基盤(専門) 精神科ソーシャルワーク論 2 2
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 精神科リハビリテーション学 4 3
精神保健福祉援助技術各論 4 3
精神障害者の生活支援システム 精神保健福祉論I 2 2
精神保健福祉活動を支える制度・サービス 精神保健福祉論II 2 2
精神保健福祉論III 2 3
精神保健福祉援助演習(基礎) 精神保健福祉援助演習I 1 3
精神保健福祉援助演習(専門) 精神保健福祉援助演習II 1 3
精神保健福祉援助演習III 1 4
精神保健福祉援助実習指導 精神保健福祉援助実習指導I 1 3
精神保健福祉援助実習指導II 2 4
精神保健福祉援助実習 精神保健福祉援助実習 4 4
現代社会と福祉 現代社会と福祉 4 2
福祉行財政と福祉計画 福祉行財政と福祉計画 2 3
社会保障 社会保障 4 3
低所得者に対する支援と生活保護制度 公的扶助 2 3
地域福祉の理論と方法 地域福祉 2 2
コミュニティワーク 2 3
権利擁護と成年後見制度 権利擁護と成年後見制度 2 3
心理学理論と心理的支援 うち1科目以上 心理学概論I*
心理学概論II*
2
2
1
1
社会理論と社会システム 社会学 2 1
人体の構造と機能及び疾病 医学知識(人体の構造と機能及び疾病) 2
保健医療サービス 保健医療サービス 2 4
障害者に対する支援と障害者自立支援制度 障害者福祉サービス 2 4

*:「心理学概論I」「心理学概論II」については両方を修得することで指定科目とみなす

5.精神保健福祉援助演習,精神保健福祉援助実習(実習指導含む)の履修について

精神保健福祉士受験資格を希望しない学生でも、上記の講義科目の履修は可能です。しかし「演習」「実習」「実習指導」科目の履修に関しては、受験資格を希望し且つ上記の指定科目を履修することが条件となります。特に「実習」は病院や施設で210時間以上の現場実習が必須となっており、実際に当事者とかかわり、現場のスタッフの指導を受けて学ぶため、以下の人間科学科「精神保健福祉援助実習」履修に関する内規に基づいて取り扱います。また「実習」は「演習」及び「実習指導」と補完的に設定されており、「演習」及び「実習指導」を指定の学年で履修していない場合、「実習」は履修できません。

なお、「精神保健福祉援助演習I・II」を履修(修得)した場合、人間科学科必修科目「人間論演習」を履修(修得)したとみなし、「精神保健福祉援助実習」を履修(修得)した場合、人間科学科必修科目「卒業論文」「卒業論文演習1」「卒業論文演習2」の履修(修得)したとみなします。

6.実習費について

「精神保健福祉援助実習」を履修する学生は、所定の期間に実習費(2019年度実績:60,000円)を納めて頂きます。途中で履修を中止した場合や単位未修得となった場合でも、実習費の返還はできません。

7.国家試験について

「精神保健福祉士」国家試験は、例年2月上旬の土曜・日曜の2日間に実施されます。
出題方法はマークシート法です。詳細は、毎年夏にその年度の国家試験実施要領が発表されるので、そこで確認することになります。
なお、ここ数年の精神保健福祉士の合格率(全国)は60%程度です。

人間科学科「精神保健福祉援助実習」履修に関する内規

2007年10月4日策定
2012年4月1日一部改定
2019年5月17日一部改定

「精神保健福祉援助実習」(4年次開講)は、『精神保健福祉士法』に基づく精神保健福祉士(国家資格)受験資格指定科目であり、学内での実習事前事後の学習に加え、指定実習機関と大学との契約において配属実習を実施し、それらの総合的な評価によって単位を認定するものである。配属実習は該当実習機関の実習指導者(精神保健福祉士)に指導を委託し、該当実習機関の利用者等と直接的なかかわりを通して学習することから、履修に関して以下の規定を設けることとする。

(1) 他指定科目の履修について次の用件を満たしていること

① 精神保健福祉士受験資格に必要な指定科目を全て(一部選択)履修していること
② ①のうち、「現代社会と福祉」「精神医学(精神疾患とその治療)」「精神保健福祉論I」「精神保健福祉論II」「ソーシャルワーク論」「精神科ソーシャルワーク論」「精神保健福祉援助演習I」「精神保健福祉援助演習II」「精神保健福祉援助実習指導I」について3年生までに単位を修得していること

(2) 「精神保健福祉士倫理綱領(公益社団法人日本精神保健福祉士協会)」及び「実習の心構え(武蔵野大学人間科学科)」を理解し、その内容を遵守することを誓約すること

(3) 実習を安全に行える健康状態であること

(4) 規定の実習費の納入が可能なこと

(5) 「精神保健福祉援助実習」実習委員会 に以下の書類を提出し、実習委員会による書類選考及び面接による選考を受け、承認を得られた者

【提出書類】
① 実習の動機と目的(400字程度にまとめたレポート)
② 実習に関する誓約書
③ その他(必要に応じて指定する)

(6) 上記の規定により実習履修が認められた者であっても、その後健康上の理由またはその他の理由によって実習することが不適切と実習委員会が判断した際は、履修を認めない場合もある
※実習委員会は、人間科学科長、精神保健福祉援助実習担当教員、外部機関精神保健福祉士、その他必要に応じて人間科学科長が委託する者によって構成される